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【注目銘柄】E・Jホールディングス:国策に乗る建設コンサルタント

E・Jホールディングス(2153):市場平均予想(単位:百万円)

E・Jホールディングス(2153):市場平均予想(単位:百万円)

企業概要

 E・Jホールディングス(2153)は、同社及び関係会社21社で構成される持ち株会社。主に官公庁の公共事業等において、企画から施工監理まで一貫提供する総合建設コンサルタントです。

 主要顧客は官公庁で、受注の8~9割を占めます。2024年5月期においては、国土交通省30%、都道府県33%、市町村15%と官公庁だけで78%を構成しました。

 ここで、都道府県の比率が33%あることが注目点です。都道府県案件は国土交通省案件に比べて単価が高いからです。その粗利益率は国土交通省30%に対して都道府県は34%です。この構造に加えて付加価値の高い技術提案型業務を強化し、生産性向上策も講じていることで、同社の利益率は他社より高くなっています。粗利益率は33%で同業とされる建設技術研究所(9621)の29%やオリエンタルコンサルタンツHD(2498)の22%を上回ります。

 なお、残りの22%はその他民間・海外からもたらされますが、民間と言っても高速道路運営管理会社などで公共色がかなり強いです。海外は売上構成比2%と貢献度は低いものの、東南アジアやアフリカでの道路整備などODA案件が占めています。

 総合すると、殆ど公共事業による収益構造となっています。

強み:災害地域で積み上げた実績とノウハウを武器に、全国展開へ

 官公庁向け建設コンサルタントは様々ありますが、中でも同社は災害の分野を得意としています。というのは、岡山県岡山市を本拠に発展してきた同社には、災害に対するノウハウが豊富に積み上げられているからです。

 中国・四国地方は昔から台風や豪雨による災害が多い地域で、数十~数千人規模で死者や行方不明者が出る大災害が繰り返されてきた歴史があります。中国地方では近年も雨の激しさが増しており、記憶に新しいところでは2018年の「西日本豪雨災害」が思い出されます。こうした環境の中、2024年度における中国地方整備局による中国地方への予算配分は前年比で1.6%増加しました。

 同社は1955年に島根県松江市に測量会社として創業した八雲測量社を前身とします。これがエイトコンサルタントと名前を変え、総合建設コンサルタントに展開し、地震や豪雨等の大災害、国土開発に携わってきました。2007年に日本技術開発と統合して現在の姿となり、この設立以降はM&Aによる事業拡大戦略を加速。

 2010年に橋梁や都市ライフラインに特化した建設コンサルタント事業を行う近代設計を子会社化し、2019年には4社を買収しました。岡山県の建設コンサルタント会社アークコンサルタント、九州で発注者支援業務を行うアイデベロップコンサルタンツ、兵庫県で建築の企画設計や耐震診断を行う二神建築、栃木県の建設コンサルタント会社ダイミックの4社です。

 M&Aによって地域的にも拡大し、これまで積み上げてきた実績とノウハウを全国に展開することでさらなる受注獲得を狙っていく構えです。

【プロフィール】戸松信博(とまつ・のぶひろ):1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。最新の注目銘柄、相場見通しはメルマガ「日本株通信」にて配信中。

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