ライオンが9月1日から放送していた歯磨き粉「システマハグキプラスプレミアム」のCMで冒頭に流れる効果音が、「緊急時の警告音に似ている」という指摘が寄せられ、9月3日に放送を中止することを発表した。CMには認知度の向上やブランディングなどの効果が期待されるが、一方で「誰かを不快にさせない・怖がらせない」ことが何より重要だ。過去にも同様の理由から、放送中止あるいは修正を余儀なくされたCMは少なくない。広告会社出身のネットニュース編集者・中川淳一郎氏が振り返る。
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確かに今回のライオンCMの効果音が災害時の防災無線やJアラートのようにも感じた人もいることでしょう。突然流れるこの音でドキッとし、一瞬避難準備をしようと思ってしまうかもしれないし、過去の災害時の記憶が蘇ってくるかもしれない。CMのタイトルは「忘れてない?」編であり、さすがに「お口のエイジングケアを忘れていませんか?」を呼びかけるCMにこの音はそぐわない。
CMの内容自体は、歯磨き粉の効果を分かりやすく示したものだったため、この騒動はもったいなかったですね。ライオンは指摘された部分を修正し、放送を再開するようなので、その時は「どう変わったのか?」と話題になるでしょう。雨降って地固まる、となればいいですね。
出演者のセリフで下ネタを連想?
今回は音だけの問題だったため、こうした修正が可能ですが、過去には表現・映像を微修正しても流しづらいだろうCMもありました。2017年、サントリーのアルコール飲料「頂」では、出張で訪れた日本の6つの大都市で、美女と向かい合って飲む共通のフォーマットがありました。
その土地の言葉で「お酒飲みながらしゃぶるのがうみゃあ」(名古屋)などと言い、「コックゥ~ん! しちゃった」と女性が笑顔で喋るものです。サントリー公式X(旧Twitter)でも「思わず漏らした #コックゥ~んで #幸せの絶頂へ!?」「あまりのコク刺激に思わず #コックゥ~ん顔!」と、別の行為を連想させるハッシュタグを用いたため批判が寄せられウェブ版は放送中止になったのです。