田町のキャバクラを選んだワケ
30歳で長銀を退職した村田氏だったが、日本株の取引時間は9時から15時までなので夜はやることがない。そこでお酒が好きだったこともあり、キャバクラで働くことにしたという。夜の世界でも、戦略的に動いた。
「30歳の私が銀座や六本木のキャバクラに入っても通用するわけがありませんから、最初からセグメント(区分)を考えて、勤務する店は田町、浜松町、新橋といったサラリーマンが多いエリアを選びました。このエリアにはNECをはじめとした大企業があり、アルバイト感覚の女性が多く、おっとりとした雰囲気で指名競争もそこまで激しくない。
店のオーナーが『長銀で働いてた東大卒の子が入ったよ』と宣伝してくれたおかげで、私は大企業のお偉いさんたちからバンバン指名され、すぐにナンバー1になることができたんです」
そうして働いた2年間、ナンバー1をキープし続けたという。
キャバクラ嬢を引退した村田氏は個人投資家・金融トレーダーに専念するようになり、2013年頃から「ウルフ村田」と名乗るようになった。
「2012年頃から大金を投入していた銘柄がアベノミクスの時に大化けしたんです。その頃、実在の株式ブローカーをモデルにした映画『ウルフ・オブ・ウォールストリート』が製作されたこともあり、私の大胆なやり方を見ていた投資家の仲間内で『ウルフ』と呼ばれるようになったんです」
コツコツ投資していくのにも向いている注目5銘柄
投資で勝ち続けるために、村田氏は日頃から情報収集に力を注ぐ。
「これまで培った友人・知人の人脈で情報を教えてもらったり、自分でも徹底的に調べて分析して、その銘柄がイケると判断したらすぐに突っ込むパターンが多い。反射神経や決断力を重視します。
そういうやり方なので失敗することもありますし、評論家としてはお声がかかりにくい(笑)。『トランプとハリスはどっちが勝つとみるか』とかマクロな視点のことを聞かれても分かりません。私としては“決まってから動けばいいんじゃないか”というスタンスです」
8月から日本株の乱高下が続き、米大統領選など株価に影響するイベントも待ち構える。そんな状況下で村田氏の注目する銘柄は別掲の通りだ。
「最近の相場は変動率が大きいので、決めつけで動いてしまうと大失敗する可能性もあります。大きく稼ぐためには私のように短期急騰株を狙ってもいいとは思いますが、リスクが高いので万人には向いていないかもしれません。
今回、挙げたのはコツコツと投資していくのにも向いている銘柄です。少額からできる新NISAは初心者にとっても良い制度。活用しながら小さな金額で投資のトレーニングを続けて、臨時収入が入った時に大きく張るというやり方がいいのではないでしょうか」
“大胆なウルフ”の目線も、乱高下相場を生き抜くためのひとつの参考になるのかもしれない。
※週刊ポスト2024年9月20・27日号