ひたすら泳ぎ続けて最終日の最後に「1時間泳」
全国的には無名校でも、キツい練習をしている高校はいくらでもある。Yさん(30代/男性)は「数年にひとり、インターハイに出る子がいるレベル」の水泳部の部員だったが、夏合宿の練習のハードさは相当なものだった。
「水泳部の練習はとにかく泳ぐだけ。準備運動が終わったら、後はひたすらプールの中です。まずは足だけで泳ぐ“キック”、腕だけで泳ぐ“プル”をそれぞれ10往復(500m)ずつやると、後は専門種目をひたすら泳ぎ続ける。ウチでは“サークル”と呼んでいましたが、選手によって決められたペースで延々と泳ぐんです。1日7~8kmは泳いでいました。
合宿最終日には通常メニューをこなした後に『1時間泳』というイベントがあり、これにはノルマはありませんが、この記録が部内では勲章になっているので、みんな必死に泳ぎます。トップは4km以上泳いでいました」
「限界の時こそフリースロー練」の意味
Mさん(40代/女性)は、“10年に1回ぐらい全国大会に出るレベル”の女子校のバスケ部員だったが、夏合宿というと蘇る景色があるという。
「とにかく体育館が暑かった記憶しかありません。汗がコートに落ちると滑って危ないので、すぐに拭きますが、体育館の気温が高すぎて、拭いても拭いても間に合わない。室内なのに暑さで空気がユラユラ~と揺らていて、多分40度以上あったんじゃないですかね。
とにかく朝から夕方まで休みなく体を動かして、もう限界というところでフリースローの練習をするんです。理由は、“クタクタになった時に決められないと意味が無いから”。入らないと罰走が待っていますが、全員が連続で決めるまで終わらないんです。今私には小学生の子供がいますが、参観日に体育の授業を見学したら、公立小学校の体育館にエアコンがついていて、思わず『ウソー!』と声が出ました」