ここ数年、夏が来る度に話題になるのが、甲子園で開催される高校野球の酷暑問題。炎天下での大会開催に疑問を呈する声は多いが、「それなら普段の練習は?」「他の部活動は?」という声もある。甲子園出場校に限らず、運動部の合宿ではハードなメニューが課されるのこともしばしば。高校時代に夏合宿で「メチャクチャきつい練習」を経験したことがある運動部出身者たちに、話を聞いてみた。
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30分近く続くアメリカンノック
Iさん(40代/男性)は東北地方の某県で「古豪」と呼ばれる高校の野球部出身。Iさんの在籍時は甲子園予選の2回戦か3回戦で負けるレベルだったが、夏合宿の練習のキツさだけは“全国レベル”だったという。
「母校は文武両道を目指しており、普段の練習時間は短いのですが、夏合宿は別。早朝のマラソンから始まり、練習時間は1日10時間以上でした。クタクタになって最後にやらされるのがアメリカンノック。外野の守備位置に付き、レフトからライトに、ライトからレフトに打球を追いかけるもので、監督が取れるか取れないかギリギリの所にノックを打つんです。言うなればダッシュの繰り返しで、10本もやればヘトヘトですが、時に30分近く続くこともあって地獄でした」
4試合やった後にグラウンド30周
野球部だけではない。全国にその名が轟くサッカー強豪校のサッカー部員だったSさん(40代/男性)も、夏合宿の“地獄の日々”を振り返る。
「夏合宿での練習試合は全国から強豪校を招いて1日3~4試合やるんですが、全部勝つのが大前提。負けるとグラウンド10周です。さらに相手によっては“2点差以上で勝つ”などノルマが設定され、それをクリアできないとグラウンド10周。最大で4試合やった後にグラウンドを30周走ったことがありました。その日は1日で50kmぐらい走ったと思います。
それでも先輩に言わせれば、我々の世代は水を飲んでいいだけマシ。上の代はNGだったらしく、いまだに先輩は『あれだけは意味が分からなかった』と言います」