「ここはお前の家じゃない!」声を荒らげる人も
女性だけではない。男性にも嫌がる人はいる。メーカー勤務の30代男性・Bさんは、脱衣所の椅子の使用をめぐり、言い合いになっている場に遭遇したことがある。
「40~50才くらいの恰幅のいい男性が、タオルも巻かずに濡れたまま、全裸で椅子に座ったんです。サウナ後だったのか、なんだかフラフラでした。大丈夫かなと思って気にしていたら、高齢の白髪男性が『ここはお前の家じゃない!』『後に座る他人のことを考えろ!』と声を荒らげていました。注意された男性は、『風呂上がりなんだから体は清潔だ』と主張していましたが、一触即発のムードでしたね」(Bさん)
Bさん自身は脱衣所にある椅子に座ったことはなかったが、白髪男性の言っていることは理解できたという。
「言われてみれば、風呂場にある椅子やサウナでは何とも思わないのに、脱衣所にある椅子というだけで、裸で座られると気になるのは自分でも不思議です」(Bさん)
「髪の毛以外を乾かさないで」の張り紙に至った事情
地方公務員で40代の男性・Cさんが通う入浴施設では、「裸のままで椅子に座らないでください」という張り紙がされるようになったという。
「裸のまま座って、ドライヤーでワキや股まで乾かしている人を見たことがありました。うわあ……と思っていたら、やはりクレームが入ったようで、『裸のままで椅子に座らないでください』と呼びかける張り紙のほか、『髪の毛以外を乾かさないでください』という注意書きも張られるようになりました。スタッフさんに聞くと、“毛”が落ちてそのままになっていて、気持ち悪いという声が寄せられたのだそうです」
裸のまま直に脱衣所の椅子に座る姿を、あまり快く思っていない人も少なくない様子。公衆の場である以上、お互い気持ち良くマナーを守って利用したい。(了)