景気失速か軟着陸かはFRBの金融政策次第に
ここまで米景気に懸念が高まっている一番の要因は、急速な金融引き締めが続いていたことです。FRB(連邦準備制度理事会)高官たちは、次の一手が「利下げ」であることを何度も言及しています。9月9日時点のFEDウォッチの金利予想によると、年内に1.25%~1.5%程度の利下げが行われるという予想が過半数を超えています。
2024年のFOMC(連邦公開市場委員会)は、9月、11月、12月と残り3会合であるにもかかわらず、これだけの幅の金利を引き下げるためには、0.25%以上の大幅利下げを複数回行わなくてはなりません。この大幅な利下げ予想は、景気に対しての懸念の大きさを示していますが、ハードランディング(景気の急激な失速)かソフトランディング(景気の軟着陸)かは、金融政策が大きく左右するでしょう。
そのため、9月17~18日のFOMCでの利下げ幅だけでなく、今後の政策見通しが市場に与える影響は非常に大きなものとなるでしょう。FOMC後のパウエルFRB議長の定例記者会見の内容は、今期最も注目されるのではないでしょうか。
景気後退の懸念は確実に高まっているため、リスク管理を前提に投資家としての次なる一手に備えていきましょう。
【プロフィール】
森口亮(もりぐち・まこと)/個人投資家、投資系YouTuber。1983年、埼玉県生まれ。元美容師。「Excelで決算数値を管理して、有望な成長株を中・長期的に狙う」という手法で資産を10倍に。その後も着実に資産を増やしている。著書に『1日5分の分析から月13万円を稼ぐExcel株投資』(KADOKAWA)がある。YouTube「毎日チャート分析ちゃんねる」やnote(https://note.com/morip)を日々更新中。