プロ野球で「打低投高」が顕著になっている。今年の場合、防御率1点台の投手が続出している反面、野手で打率3割を超える選手はわずか。セ・リーグの場合は、ホームラン王にしても20本台、打点でも70台で狙える状況になっている。かつてはホームラン50本、打点130などはよくある話だった。この打低投高の状況が続くと、野球界にとってもマイナスなのでは、と考えるのはネットニュース編集者の中川淳一郎氏だ。
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9月12日現在、各チーム20試合以下を残しております。現状の打撃成績を見ると「打率王」「本塁打王」「打点王」の成績がかなり低調になりそうです。
パ・リーグの場合、3割以上の選手は.312の近藤健介(ソフトバンク)のみ。セ・リーグは.318のサンタナ(ヤクルト)のみ。本塁打は、パは31本の山川穂高(ソフトバンク)に続くのは20本のポランコ(ロッテ)。セ・リーグは村上宗隆(ヤクルト)の25本が最高。打点はパは89の山川が首位。セは70の岡本和真(巨人)がトップで、森下翔太(阪神)と村上が68で続きます。
個人的な思いで恐縮ですが、これって野球の魅力を下げませんかね……。元々野球って派手なホームランやら8-7で終わる試合の乱打戦なんかが面白い競技だったわけで、とにかく「ピッチャーが抑えればいい」という状況になりつつあります。
打者についても規定打席に到達している3割打者が両リーグで2人しかいないというのは、競技の魅力を下げていると思います。こうした状況についてネットのコメントを見てみると「日本のピッチャーのレベルはすごい!」「1-0や2-1といったヒリヒリする試合は観ていて面白い」などと述べる方もいます。しかし、これってあまりにも「通」による意見じゃないんですかね?
本来野球というものは「エース」と呼ばれる各チームに1人か2人しかいない主戦投手が投げる時は0点に抑えたりするものの、基本的には強打者がバカスカ打ちまくって5点以上は取るようなスポーツだったと思います。