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週20時間以上のパート勤務「社会保険に加入させてもらえないのは問題では?」 10月からの社会保険の適用拡大について解説

パート勤務で「社会保険に加入できる条件」とは(イラスト/大野文彰)

パート勤務で「社会保険に加入できる条件」とは(イラスト/大野文彰)

 2024年10月から、社会保険の適用範囲が拡大される。具体的にはどういった条件になるのか。実際の法律相談に回答する形で、弁護士の竹下正己氏が解説する。

【相談】
 週20時間契約でパート勤務をしています。入社以来、毎日のように残業があり、結果的には週20時間以上働いています。年収130万円の壁に当てはまるので社会保険に加入したいのですが、会社は応じてくれません。20時間以上働いているのに社会保険に加入させなくても問題ないのでしょうか。(埼玉県・50才女性・パート)

【回答】
 会社経営の事業所すべてと個人経営で5人以上の労働者を雇用する一定の事業所が社会保険が適用される適用事業者です。

 適用事業所で働く労働者は当然これら社会保険の被保険者になりますが、パートなど短時間労働者は、1週間の所定労働時間が正規労働者の4分の3未満か、1か月の労働日数が4分の3未満の場合は適用が除外され、被保険者になりません。言い換えると、パートでも所定労働時間が正規労働者の労働時間の4分の3以上であれば社会保険が適用されます。

 しかし、4分の3未満の短時間労働者でも一定の要件を満たす場合、社会保険の適用があります。法の建前では、1週間の労働時間が20時間以上で、かつ報酬月額(月給制の場合は、月額÷労働日数×30で計算)が8万8000円以上の短時間労働者(学生を除外)は社会保険の適用があります。

 健康保険法および厚生年金保険法の附則で、当分の間の扱いとして、一定規模の事業所(特定適用事業所)で働く短時間労働者が、これらの要件を満たしている場合に社会保険の適用を認めるとされているのです。

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