小泉純一郎内閣や安倍晋三内閣を官邸スタッフとして支えた経験を持つ元財務官僚で嘉悦大学教授の高橋洋一氏（時事通信フォト）
進次郎氏・石破氏と財務省の距離感
――そんな財務省と小泉氏との蜜月はいつから？
「2017年に小泉氏が、幼児教育と保育無償化の財源として『こども保険』という構想を打ち出したことがあります。働く人と勤務先企業から保険料を徴収して子育て財源に充てるものです。
この構想は、私が安倍首相に建言した『教育国債』の構想と相打ちになって立ち消えますが、岸田政権下の今年になって『子ども・子育て支援金制度』と看板を掛け替えて実現しています。名前が違うだけで中身は全く同じ。財務省にとっては“成果を出してきた政治家”として小泉氏をまた使っているのです」
――石破茂氏と財務省との距離感はどうですか。
「財政状況についての認識はほとんど財務省と一緒です。また、金融政策についても緊縮路線に寄っています。日銀が利上げに踏み切った際、石破氏は『金利の正常化』という言葉で積極的に肯定してきましたが、緊縮路線は成長を阻害するだけ」
――株価も下がる？
「そうです。ここがわかる政治家かどうかが大きな分かれ目。経済成長を目指すなら、不必要な増税、不必要な金融引き締めは行なわないに限ります」
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