社外取締役に元女性アナが登用される背景とは(左から菊間千乃氏/時事通信フォト、福島敦子氏)
海外投資家からの評価を高めることなどを目的に近年、金融庁や証券取引所が日本企業に求めているのが「社外取締役」や「女性役員」を増やすことだ。企業内での“多様性の確保”が重視される流れがあるわけだが、そうしたなかで「元女性アナウンサー・キャスター」の経歴を持つ社外取締役が次々と誕生している。一流企業が彼女たちを選んだ理由とは──。【前後編の前編】
会長がみのさんと友達
改めて社外取締役の重要性に注目が集まったのは、今年3月に発覚した小林製薬の「紅麹サプリ」問題だった。経済ジャーナリストの森岡英樹氏が言う。
「小林製薬が健康被害の可能性を把握した時、同社7人の取締役のうち過半数の4人が社外取締役だったが、社外取への報告は2か月遅れた。それにより被害が拡大した可能性があり、“機能不全”が指摘されました」
社外取締役は中立的な立場から経営内容や法令遵守に問題がないかなどを確認する役割を担う。“生え抜き役員”ばかりの文化が定着していた日本企業では、近年、社外取締役を増やすことが課題とされてきたが、小林製薬の事例は社外取締役の監視が機能するかという課題も浮き彫りにした。
そうしたなかで顕著な動きが、「元女性アナ・キャスター」の肩書きを持つ社外取締役の増加だ。複数の企業で兼務する元女性アナも少なくないが、なぜ女性アナが求められるのか。経済ジャーナリストの松崎隆司氏が言う。
「アナウンサーは知名度があり、就任するだけでニュースになる。企業からすれば発信力がある広告塔としての価値を期待している側面があります。ただ、それだけではなく選ばれるアナウンサーはそれぞれ得意分野を持っていることが多い」