今後は「地域との関係性」が重視される
2社の社外監査役を兼任する気象予報士の根本美緒氏のように取締役の職務執行を監査する役割を担う社外監査役に就任する事例も増えている。
「元フジの中井美穂氏はIT企業メディアシーク、元NHKの草野満代氏はアパレル事業を手がけるオンワードホールディングスの監査役にそれぞれ名を連ねています」
経済ジャーナリストの松崎隆司氏は今後、「地域との関係性」が重視されるのではないかと見る。
「昨年、四電工の社外取締役に就任した元フジテレビの中野美奈子氏は、四電工本社がある香川県出身。父親は開業医で丸亀市の名士として知られています。自身も2年前から香川に戻ったことが就任の決め手になった」
(以下、図表で「社外取締役に就く主な女子アナ・キャスターたちと就任企業」を一覧で紹介)
女性アナが登用される背景には、企業が人材確保に苦労している現実もある。企業統治助言会社の株式会社プロネッドの酒井功社長が言う。
「政府は昨年7月末時点で13.4%だったプライム上場企業の女性役員の割合を、2030年までに30%以上にする目標を掲げた。各社は社外取締役の確保と女性役員の登用という2つの課題を抱えている。本来はビジネス経験が豊富な他企業の役員経験者を求めたいが、そうした人材は限られるのです」
これからますます「元女性アナ活躍」の時代となるのか。
(前編から読む)
※週刊ポスト2024年10月4日号