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「認知症の疑いがある父を悪徳業者から守りたい」…父のプライドを傷つけずに財産を共同管理する方法はあるのか、弁護士が解説

 ご質問の共同管理を求める目的は、独居高齢者に対する悪質商法や振り込め詐欺が頻発していることへの対処でしょう。悪質商法等の対処には同居が適切ですが、現実的ではなく、一人暮らしの継続を前提にせざるを得ないのだと思います。その場合、悪質商法等のおそれがあることを理解してもらう必要があります。この怖さを理解していないと財産の共同管理の同意は難しく、悪質商法等からお父さんを守るのは簡単ではありません。そこで本人の意思に関わりなくできるのは、隣人に訪問販売などへの注意を頼んでおくこと、振込詐欺対応として自動録音機能付き電話機の設置が考えられます。

 他にも、高齢者への見守りを重要な任務としている地域包括支援センターに相談すると、よい知恵を出してもらえるかもしれません。

 自分に自信があるとのことですから、悪質商法の手口を説明したり、違法な訪問販売を撃退するため『特定商取引法』や『消費者契約法』などについて一緒に勉強することで、ことの重要性の理解を得ることも考えられます。

 ただ、高齢者は朝からテレビのワイドショーなどを観ていることが多く、高齢者が騙される悪質商法の事例については、あなたより熟知している可能性があります。

【プロフィール】
竹下正己(たけした・まさみ)/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。

※週刊ポスト2024年10月4日号

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