友人宅で冷たい視線が…
家で一人のとき限定で、味噌汁かけご飯を食べるという人にも話を聞いた。医療関係の仕事に従事する30代女性・Bさんは、「夫が不在のときの密かな楽しみです」と語る。
「ご飯に味噌汁をかけて食べるのが好きなんですけど、人前ではやらないようにしています。一人暮らしのときは自分で作った味噌汁と炊いたご飯ですることもあれば、パックご飯とインスタント味噌汁を買って味わうこともありました。結婚後も夫がいないタイミングで密かに食べています」
かつて家では、一人でないときでもご飯に味噌汁をかけていたBさんだが、ある時から人前では一切しなくなったという。
「友人宅に、何人かでお泊り会をした時のこと。朝ご飯に出してもらった味噌汁を何気なくご飯にかけたら、全員冷たい目で私を見ていました。『そういうこと、あんまりやらないほうがいいと思うよ』と親友に言われてからやっていませんが、卵かけご飯やお茶漬けはよくてお味噌汁がダメな理由は何でしょうか……」(Bさん)
好きにしてもいいのでは
ご飯に味噌汁をかけることについて、金融機関勤務の20代男性・Cさんは、「場所によるけど、外で、特に女性がやっていたらちょっとびっくりはする」と本音を漏らす。
「あまり外でやっている人を見かけることはありませんが、仮に定食屋さんとかで、女性がやっていたらびっくりはすると思います。マナー違反とかじゃなくて、豪快さですかね? 行儀が悪いとは思いませんが、“行儀がいいわけでない”のは確かだと思います。ただ、基本的に好きにかけてもいいとは思いますよ。ラーメンの汁のなかにご飯を入れて食べるのがおいしい、という人もいるぐらいですし」
ご飯も味噌汁も、日本人が「ほっとする」食べ物だが、“味噌汁かけご飯”になると、人によって価値観が異なり、論争の火種にもなりかねない。趣向やバッググラウンドによって見解が分かれるだけに、簡単に答えは出なそうだ。(了)