日米ともに金利の動向に注目が集まっている。では、ニュースで耳をする政策金利とはどのようなものか。また、実際に生活に密接に関係のある市場金利とはどのようなものか。『世界一楽しい!会社四季報の読み方』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第110回は、「市場金利と政策金利」について。
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最近、経済ニュースをはじめ、いろんなところで“金利”という言葉を耳にすることが増えました。とくに“市場金利”と“政策金利”は、頻出しています。いったいこのふたつはどんな金利で、わたしたちの生活にどのような影響があるのでしょう?
市場金利を左右する政策金利
市場金利は、金融市場において金融機関同士が取引をする際に用いられる金利で、わたしたちの預金の金利などとはちがい、需給に基づいて決まります。では、その市場金利の需給は、何の影響を受けるかというと、主な要因は、政策金利です。
政策金利は、日本銀行のような中央銀行が、一般の銀行に資金を貸し付ける際に用いる金利を指します。ご存知のとおり、日本の政策金利は長い間、マイナスでしたが、今年の3月にマイナス金利を解除し0.1%に、さらに7月には0.15%引き上げられ0.25%になっています。一方、アメリカでは、逆に9月に政策金利(FFレート)が0.5%引き下げられ、現在5.0%です。市場金利は、こういった政策金利の上げ下げの影響を受けて、変動します。