藤川里絵「さあ、投資を始めよう!」

【知っておきたい金利の基礎知識】市場金利と政策金利の違いとは? 金利の変動がわたしたちの生活や為替、企業業績に影響する仕組みを解説

市場金利の種類

 市場金利は、ふたつに分けられます。

【1】短期金利=期間が1年以内の取引に適用される金利で、企業や銀行が短期間で資金を融通する際に使われます。

【2】長期金利=期間が1年以上の取引に適用される金利で、住宅ローンや企業が設備投資をする際に重要になります。日本では「10年物国債の利回り」が長期金利の指標としてよく使われます。

 政策金利の変更は、短期金利、長期金利のどちらにも影響を与えますが、とくに短期金利は、政策金利の予想を強く反映する傾向があります。

市場金利が生活に与える影響

 市場金利の変動は、私たちの生活に直接影響を与えます。例えば、住宅ローンや自動車ローンを組むときの金利が上がれば、返済額も増えます。逆に、金利が低ければ安い金利でお金を借りられるので、負担が軽くなります。

 また、預金の利率にも影響します。金利が高いと、銀行に預けたお金で多くの利息を受け取れる一方、金利が低いと受け取る利息も少なくなります。

 さらに、企業にとっても金利は重要です。金利が高いと、資金を借りるコストが増えるため、設備投資や事業拡大が難しくなります。逆に金利が低ければ、企業が新しいプロジェクトに投資しやすくなり、経済が活性化することもあります。

 また、金利が上昇するとその国の通貨は買われやすくなります。日本では、これから金利が上昇すると考えられますので、円高要因となります。円高になれば、海外旅行や、輸入品を購入する際には安くなるのでお得ですが、輸出企業にとっては、海外での商品価格が上がりものが売れづらくなるため、利益の圧迫要因になります。

 このように金利の変動は、わたしたちの生活と密接に関わり合っていますので、日頃からその動向に意識を向けておきましょう。

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