2013年に公表された大阪府の津波被害想定によると、南海トラフでM9クラスの地震が発生した場合、府内のほぼ全域で震度6弱が観測され、沖合で発生した津波が時速720kmで紀伊水道を北上し、臨海部をのみ込んで内陸部に向かう。
「南海トラフの巨大地震では最大2mの津波が、地震発生から1時間50分ほどで梅田に到達すると想定されます。2mもの津波が流れ込めば梅田の地下街はあっという間に水没し、避難が難しくなると考えられます」
さらに南海トラフ地震の津波は中京圏の中心である名古屋駅に達する可能性もある。
「愛知県や名古屋市の被害想定では津波はギリギリ名古屋駅には到達しないとされていますが、1959年の伊勢湾台風では高潮災害で名古屋駅が浸水しています。つまり地震の液状化で地盤がさらに沈下したり堤防が決壊したりすれば、津波が名古屋駅まで到達することはあり得ます。そうなれば、周辺の地下街や地下鉄にも被害が及ぶかもしれません」
※女性セブン2024年10月10日号