11月5日の米大統領選に向け、共和党のトランプ前大統領と民主党のハリス副大統領が大接戦を繰り広げている。結果は日本企業の業績を大きく左右するだけに、「もしトラ」で伸びそうな企業も、「もしハリ」で上がりそうな銘柄も、どちらへの投資もリスクが懸念される状況だ。だが、厳選すれば、“どちらが勝っても上向く”と期待できる日本株もあるという──。
米CNNが9月24日に発表した世論調査では、民主党のハリス氏の支持率が48%、共和党のトランプ氏が47%と拮抗しており、勝敗の行方はまったく見通せない。
政策を見比べると、エネルギー分野では太陽光などクリーンエネルギーを推進するハリス氏に対し、トランプ氏は石油など化石燃料を後押しするなど、対照的に見える。
だが、投資のプロたちはいま、「トランプ大統領」でも「ハリス大統領」でも、どちらが誕生しても上昇が期待できる日本株を見定めようとしている。最新の見解を聞いていこう。
住宅業界にフォローの風が
投資のプロが厳選した「もしトラ」でも「もしハリ」でも上昇が望める日本株を紹介する。
「もしトラ」でも「もしハリ」でも上昇が望める日本株の銘柄を選ぶ上で、カブ知恵代表の藤井英敏氏は「3つのポイントがある」と言う。
「まずどちらが大統領になろうとも、国民の支持を集めるためには米国経済の堅調さを維持する必要があります。なかでも『住宅支援策』は必須。人口増が続いている米国は慢性的な住宅不足にあります。方法論は違っても、住宅供給が増えていく可能性は高い」
マーケットバンク代表の岡山憲史氏もこう見る。
「ハリス氏は就任後4年間で300万戸の新築を目指す公約を掲げるなど供給拡大を促す政策を提唱。トランプ氏も『住宅ローン金利の低下を目指す』と表明するように、どちらが大統領になっても不動産・住宅業界にはフォローの風が吹くことになる。FRB(連邦準備制度理事会)が9月に利下げに踏み切ったことも追い風になります」