投資情報会社・フィスコが、株式市場の9月30日~10月4日の動きを振り返りつつ、10月7日~10月11日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は週間で1193.94円安(-3.00%)の38635.62円と下落。石破新首相の発言及び政権方針に振らされる展開となった。週初から「高市トレード」の逆回転で一時2000円超の急落で38000円台を割り込んだ後、石破氏が「岸田政権の成長路線を引き継ぐ」としたことから、安心感が先行し翌日には防衛関連銘柄や地方創生関連銘柄を中心に買いが入り日経平均は大幅反発。
ただ、イランがイスラエルにミサイル攻撃を行うなど中東情勢が緊張化したことで地政学リスクが意識されて、日経平均VIが一時33.64まで上昇するなど先行き不透明感が高まり日経平均は反落した。週末にかけては、石破氏が「追加利上げ環境にない」と発言したことで、早期の追加利上げ観測が後退し、為替は1ドル147円台まで円安が加速。日経平均は38000円台半ばまで持ち直したが、日替わりで地合いが変わる方向感に欠ける展開となった。
なお、9月第4週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を673億円売り越したほか、TOPIX先物を7513億円売り越し、225先物は1585億円売り越したことから、合計9771億円の売り越しとなった。一方、個人投資家は現物を5760億円売り越すなど合計で5878億円売り越し。なお、信託はTOPIX先物を9828億円買い越し合計1兆2602億円買い越したが、これは配当落ちに絡んだ先物買いと見られる。
日経平均は急落後、上下に振れたが、25日移動平均線(37579円水準)、200日移動平均線(37863円水準)、75日移動平均線(38265円水準)より上を推移しており、方向感は乏しいが良好なトレンドを維持している。
市場の心理状態を示す日経平均VIが30前後と先行き不透明感が高まりつつあることから下に動く可能性は残っているが、27日に衆議院選挙の投開票を控えていることから「選挙は買い」といった政策期待等のアノマリーが先行し39000円台を目指す展開は想定できる。11月5日に米大統領選挙を控えていることから様子見姿勢が強まる可能性はあるが、就任後の石破氏は市場フレンドリーな政策を主張していることから、防衛関連や地方創生関連を中心とした物色が進む可能性はある。