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幸せな老後計画「こんなはずでは…」の大誤算 「二世帯住宅で親子関係がこじれる悲劇」「生前贈与が生んだ想定外の禍根」

「二世帯住宅」の暮らしで親子関係が冷え切ったというケースも(写真:イメージマート)

「二世帯住宅」の暮らしで親子関係が冷え切ったというケースも(写真:イメージマート)

「穏やかな最期」における絶対条件は、ある程度の「先立つもの」が確保されていること。介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子さんは「多くの人が余命を短く見積もり、途中で資産が足りなくなっている」と話す。

「60代の人は、自分たちの両親が亡くなった年齢をイメージして『自分は80代で死ぬから、余命はあと20年くらいだろう』とおっしゃいますが、いまの時代100才まで生きる可能性はざらにある。現実よりも余命を短く見積もって人生設計を立ててしまうと、80代以降にお金が足りなくなり、大幅な計画変更を強いられることになります。特に女性は平均寿命が長いので、『105才まで生きる』と仮定して老後計画を立ててほしい」(太田さん)

娘夫婦のマンションに全財産を費やしたのに…

 同時に、貯めたお金をどう使い、残すかもしっかりと計画しておくことも大切な「最期の準備」だが、方法を間違えれば財産だけでなく大切な家族を失うことにもなる。『ネットではわからない相続問題の片づけ方』の著者で弁護士の澤田有紀さんが指摘する。

「生きている間に財産を子供や孫に渡しておき、その代わりに老後の面倒を見てもらおうとする親は少なくありませんが、トラブルのもとになるため、よく考えた方がいい。

 実際にあったのは、親が住むマンションの隣の部屋に娘夫婦が住むことになり、親が購入資金を全部準備して、娘夫婦の金銭的負担がほとんどなかったケースです。親は娘夫婦に老後の面倒を見てもらうつもりでお金を出し、孫が親の家を頻繁に訪れるなど関係は良好だったのに、あるとき、娘の夫と親夫婦が些細なことから仲違いして、一切の交流がなくなってしまった。困り果てた親は転居も考えたものの、娘夫婦のマンションにほぼ全財産を費やしたのでにっちもさっちも行かない。こうした事例は決して珍しくありません」

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