【予測2】円の金利は大きく上昇しない見込みです
図0-2は、金利の指標となる10年国債金利の変化です。平成になった1989年からの推移を示しました。約30年でピークだった8%から大きく下落し、マイナスを経て、ようやくごく僅かながら上向いてきた状況です。
では、今後この金利が大きく上昇していくか? と尋ねられたら、私は「ノー」と答えます。
なぜなら、金利の引き上げは国の借金である国債の利払いを増やすことになるからです。ですから、今後の金利の上昇は非常に緩やかなものになると考えています。
また、成熟国になった日本では景気が過熱する可能性が低いため、1990年代初頭のような高金利が再現されるとは考えにくいです。
1%を切る金利水準で銀行にお金を預けていても利子はほとんどつかないとなれば、老後のための資金の準備が難しくなるでしょう。
先ほど、物価が上昇していると申し上げました。今の金利水準では、物価上昇を金利の上昇で埋め合わせることができず、預金の価値は目減りしていきます。
図0-3のグラフをご覧ください。100万円を年利0.5%で預金した時にインフレが年2%で進行したら、20年後どうなるかを示しています。預金の価値は20年で約38万円減ります。 時間が経過することで、預金だけでは損をすることになるのです。
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