メーカー側はこうした炊飯器の使い方を、どう捉えているのか。タイガー魔法瓶に聞いた。
「一般的な炊飯器の炊飯(白米)コースは、ご飯を炊くことに特化したプログラムになっています。炊飯の過程で、中の水が蒸発するまで煮込むため、水や材料が少ないと水が早く蒸発して内なべが焦げる恐れがあります。
一般の炊飯器でケーキを焼くと、焦げ付きだけなく、表面だけ固まって生焼けになることもあります。その場合、再度、炊飯スイッチを押すよう記載されているレシピがありますが、連続で加熱を続けることで本体が高温になり、壊れてしまう可能性があります。また、ケーキが膨らんで調圧孔をふさぎ、中身が噴き出したり、ふたにくっついて焼き固まり、ふたが開かなくなる恐れもあります」(同社広報宣伝チーム・花房由香里氏)
同社では、一般の炊飯器で調理をすることはNGとするだけでなく、調理機能付きの炊飯器であっても、「ポリ袋やクッキングシートなどに食材を入れて加熱する」「ルーや片栗粉などでとろみがつく料理」「大量の油を使う料理」「葉物野菜を使う料理」「練り物や豆類、麺類など煮炊きで膨張しやすい食材を使うレシピ」などは、調圧孔をふさいだり、蒸気経路に生地が入り込んで取れなくなったりするので、避けるべきとしている。
松永氏もこう口をそろえる。
「とにかく、間違った使い方をしないで、としか言いようがありません。電子レンジでも炊飯器でも、トリセツを読まない人が多いですが、『安全上のご注意』『使えない容器』の欄だけでもちゃんと読むことをお奨めします」
電子レンジも炊飯器も、万能の調理器具ではない。
※参考:〈開発担当者が解説!〉これなら安心、炊飯器調理の正しい方法 タイガー魔法瓶
https://www.tiger-corporation.com/ja/jpn/feature/rice-cooker/takitate50/43/
取材・文/清水典之(フリーライター)