サッカー日本代表の試合も地上波放送が減少
Jリーグも地上波テレビから中継が消えつつある。2017年からJリーグはDAZNと10年間で約2100億円(コロナ禍による一時中断より12年間で約2239億円に修正)の放映権契約を締結し、J1、J2、J3のリーグ戦を全試合で中継してきた。スポーツ紙デスクが言う。
「昨年3月に2023年から2033年までの11年間を約2395億円でDAZNと新たな契約を結んでいる。Jリーグの地上波での全国ネットはNHKだけ。あとは全国のローカル局が試合を中継している。
これまでドル箱といわれた日本代表戦は地上波で放送されてきたが、視聴率の低下に伴って前回のカタールW杯の最終予選からは地上波放送はホームのみとなり、アウェーはDAZNの独占放送になった。このまま代表戦まで有料コンテンツになる流れが加速すれば、“Jリーグは見ないが日本代表戦だけは見る”というライト層を切り捨てるかたちになり、サッカー人気の低迷につながると危機感を持つJFA(日本サッカー協会)関係者もいるようです」
女子ゴルフは「ネット中継だけで十分」の主催者判断も
同様に地上波放送の縮小の流れが見られるが女子プロゴルフだ。2022年から放映権がJLPGA(日本女子プロゴルフ協会)に帰属することになり、年間37試合のうち、日本女子オープンとTOTOジャパンクラシックを除く35試合の予選から決勝までがJLPGA公認の有料インターネット(DAZN、U-NEXT)で生配信されている。ゴルフ担当記者が言う。
「2023年シーズンから放送局は放映権料を支払うことになった。地上波は全国ネット20局以下なら1000万円、20局以上なら1500万円、BSは1200万円、CSは200万円といった具合。地上波とBSやCSとの組み合わせならBSとCSは半額になる仕組みです。
他のスポーツ中継と比べて常識的な額だが、地上波での露出は縮小傾向になっている。有料ネット中継だけで十分と判断する主催者もいるし、地上波をやらずに放映権料が安いBSやCSだけになる試合もある。これまであったような、土日の午後になんとなくテレビを観ていて女子ゴルフの試合が流れている、といったパターンはなくなり、宮里藍らが活躍していた頃のような国民的知名度のあるスターが出てきにくくなっている」
2024年は35試合のうち、地上波での全国中継がない試合が5試合あり、テレビ東京系(6局ネット)も6試合。計11試合が地上波の全国ネットでは観られない。日曜日に録画で最終日だけ放送されるのが12試合。従来通りに土日に地上波で全国ネットとして放送するのは12試合だけとなった。