東京メトロが10月23日に東証プライム市場に新規上場し、久々の大型IPOとして株式投資家のあいだでも話題となっている。東京メトロのような新規上場株式(IPO株)に投資するにはどのような方法があり、どのような妙味があるのか。また、注意すべき点はどこか。『世界一楽しい!会社四季報の読み方』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第114回は、「IPO株投資」について。
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2024年10月23日、東京地下鉄(東京メトロ)が新規株式公開(IPO)し、株式市場は久しぶりの大型IPOに沸き立ちました。公開価格1200円に対し初値は36%高となる1630円、終値は1739円になるなど、好調なスタートを切りました。
わたしを含め、東京メトロのIPOに申し込んだ人は多いと思います。遠い記憶では、1987年のNTT株のIPO時にも、同じようなことがありました。当時は、まだネット証券が主流ではなかったため、総合証券の営業マンから、NTT株の購入をすすめられた人が多かったようです。まったく株に興味がないわたしの担当美容師さんも勧められて悩んでいると話していました。こういった大型IPOがあると、株式市場への注目も高まるので悪いことではありません。
IPO株を申し込むための手順
個人投資家がIPO株を買うには、まず抽選に申し込む必要があります。手順としては、IPO株を割り当てられている証券会社に口座開設を行い、当選した場合の購入代金程度のお金を口座に入金します。ちなみに松井証券は、口座に入金されていなくても抽選に申し込むことができます。
たとえば、東京メトロの場合は、公開規模3486億円に上る大型IPOだったため、割り当て証券会社が多く、野村、SMBC日興、SBI、楽天、岩井、松井、マネックスなど全部で28社ありました。割り当て株数は、証券会社によって異なり、特に割り当て数が多い証券会社を主幹事といいます。東京メトロの国内売り出しの共同主幹事は、野村證券、みずほ証券、ゴールドマン・サックス証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券でした。IPOの申し込みは、何社でもできるので、当選確率をあげるためには、複数社で申し込むことをおすすめします。
IPOの割り当て証券会社は、公開されているIPO銘柄の目論見書で確認できます。目論見書は、証券会社や銀行、保険会社などから入手でき、各社のホームページからもダウンロードできます。