本来「勉強ができる」「頭がよい」といったことは褒められてよさそうなもの。しかし子供時代は、それがもとで嫌味を言われたり、からかわれたりした経験がある人も珍しくない。心無い言葉を受けたことがある人たちに、その体験を聞いた。
勉強ができると「嫌味なヤツ」
大学進学まで四国地方で生活していたWさん(20代/男性)は、小学生時代は「神童」と呼ばれ、そのまま地元の中学校へ。高校は地元で一番の進学校へ入学し、大学で上京した。Wさんは「田舎の子供コミュニティでは、“勉強ができる”ことがイジりの対象となりやすいかもしれない」と話す。
「小学生の頃は、特に勉強をしていたわけでもないのですが、『わからない』ことがありませんでした。強いて言えば、本を読むのが好きで漢字はよく知っていました。そのせいか、テストのときにまだ“習っていない”漢字を使って問題を解いたら、先生からバツにされた記憶があります。解答が間違っているならわかりますが、合ってはいるのにバツはどうかと子供心に思いました。抗議するほどではないので黙っていましたが……。
ただ、その私の答案用紙を覗き込んだクラスメイトが、『あいつは習ってもいない漢字を書いて、嫌味なヤツ』みたいな陰口を言っていると、耳に入ってきました。別に私は自慢してはいないのですが……。それ以来、遊びに呼ばれないなど、地味に除け者にされるといったことはありました。当時はいじめと思っていませんでしたが、今思うといじめの部類だったかなと思います。
こうしたことがあったので、いつからか答案が返って来るとすぐに丸めて隠すようになり、100点の答案は“見せてはいけないもの”になりました。周りに何を言われるかわからないからです。高校は進学校に行き、単純に成績がよい=スゴイという価値観で、楽になったのを覚えています」(Wさん)