寒暖差対策の「断熱材」で家がカビだらけに
断熱リフォームは窓だけではなく、壁に断熱材を入れる方法もある。
ただし、「間違った方法で断熱材を入れ、かえって不具合が生じる家もある」と指摘するのは、『住まい大全 ずっと快適な家の選び方、つくり方、暮らし方』の著書がある平松建築代表の平松明展氏。
「築年数が古い家の壁に断熱材を入れると『内部結露』が発生してしまうケースがあります。湿気は温度が高いところから低いところへ逃げていきますが、部屋の暖かい空気が外へ抜ける際に壁の断熱材が邪魔して湿気が溜まってしまうことがあるのです」
2000年4月に義務化された「外壁通気工法」により、それ以降の家の外壁には湿気や結露を逃がす通気層の設置が義務化された。対して、築年数の古い家の壁には通気層がなく湿気が抜けにくい造りになっている傾向があるという。
「2000年以前に建てられた家の場合、断熱材によって壁にカビが生えて家を老朽化させてしまうケースが珍しくない。リフォーム費を無駄にしないように、まずは自宅の壁の構造を調べておきましょう」(平松氏)
※週刊ポスト2024年11月22日号