投資情報会社・フィスコが、株式市場の11月5日~11月8日の動きを振り返りつつ、11月11日~11月15日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は週間で1446.70円高(+3.80%)の39500.37円と上昇。注目された米大統領選挙では、投開票直後からトランプ氏優勢が伝わり、6日の時間外取引で米10年債利回りが上昇し、為替も円安ドル高が加速。三菱重<7011>や川崎重<7012>など防衛関連の一角が上昇し、IHI<7013>は取引時間中に好決算を発表したこともありストップ高となった。為替は1ドル154円台まで円安に振れたことから、6日の日経平均は前日比1000円超の大幅高。トランプ氏の勝利宣言を受けて、米国市場ではNYダウやナスダック、S&P500がそろって史上最高値を更新。
7日の日経平均は40000円に迫る場面も見られた。週末にかけて、トランプトレードの一巡などから上値は重くなったが、決算発表銘柄への物色が活発だったほか、取引時間の延長なども影響して、7日のプライム市場の売買代金は6兆円台まで膨らんだ。なお、週末に算出された11月限オプションSQ(特別清算指数)は39901.35円。取引時間中に一度もつけることが無かったことで、上に残す「幻のSQ値」となった。
10月第5週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を2106億円売り越したほか、TOPIX先物を1585億円買い越し、225先物は2780億円売り越したことから、合計3301億円の売り越しとなった。一方、個人投資家は現物を408億円売り越すなど合計で202億円買い越し。なお、信託は現物を1748億円と買い越した。
決算発表は今週ピークを迎え、1400社ほどが決算を発表することから個別物色が強まろう。11日から特別国会が開催され、首相指名選挙が実施される。引き続き石破政権が成立するとの予想はあるが、安定した政権運営は難しいとの見方は強い。安定政権が期待できないことで外国人投資家の動きは鈍っているとの観測もあり、日経平均は40000円手前で上値が重くなっている。