指数の動きが重くなれば、より決算銘柄に関心が向かいそうだ。取引時間の延長によって、15時に決算を発表する銘柄も決算を材料に取引されたことの影響は大きく、プライム市場の売買代金は増加傾向にある。今期業績見通しを上方修正しても市場コンセンサスに届かなかった際や、株主還元策が弱かった場合は売られるなど市場のハードルは引き続き高いが、決算発表を材料とした活発な商いは今週も期待できよう。
為替市場では1ドル154円台後半まで円安ドル高が進んだが、円安加速を受けて、12月の日本銀行による金融政策決定会合にて追加の利上げ実施観測が高まっている。日銀が円安抑止のために追加利上げを実施する可能性は低いと考えるが、植田和男日銀総裁は、10月31日の日銀会合後の記者会見にて、追加の利上げに前向きな発言を行っていることから可能性は0ではなさそうだ。
実際、154円70銭台まで進んだ円安は、日銀会合への思惑が報じられたタイミングで一服している。ドルインデックスも7月上旬以来の105.3水準まで上昇したが、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果は市場想定通りの0.25%利下げで、パウエルFRB議長が利下げを継続する方針を示したことからトランプ氏勝利に関連したドル買いは止まった様子。円安ドル高の追い風が止まったとなれば、輸出関連銘柄などの重しとなろう。
今週にかけて、国内では、11日に9月国際収支、10月景気ウォッチャー調査、12日に10月マネーストックM2、13日に10月国内企業物価、15日に第3四半期実質GDP(速報値)、9月鉱工業生産(確報値)などが予定されている。
海外では、11日にNZ・第4四半期2年インフレ予想、12日に豪・10月NAB企業景況感、独・10月消費者物価指数(確報)、トルコ・9月経常収支、英・9月ILO失業率、10月雇用統計、独・11月ZEW景況感指数、南ア・9月製造業生産高、13日に豪・第3四半期賃金指数、欧・9月ユーロ圏鉱工業生産指数、米・10月消費者物価指数、14日に豪・10月雇用統計、欧・第3四半期ユーロ圏実質GDP(改定値)、米・10月生産者物価指数、週次新規失業保険申請件数、週次原油在庫、15日に中・10月鉱工業生産指数、小売売上高、新築住宅販売価格、英・9月月次GDP、鉱工業生産指数、製造業生産高、貿易収支、第3四半期実質GDP(速報値)、米・11月NY連銀製造業景気指数、10月小売売上高、鉱工業生産指数などが予定されている。