小規模飲食店に打撃を与える米価の高騰
今夏の米価価格高騰を受けて、ごはんのおかわり無料サービスを終了する飲食店は少なくない。前出の小浦氏はこう話す。
「私が定期的に利用している飲食店だけでも、個人経営のとんかつ専門店や数店舗ある小規模な中華料理店など、複数の店舗がおかわり無料サービスをやめました。また、焼肉店や居酒屋などでは、ランチタイムのみ定食メニューを提供し、かつごはんおかわり無料サービスを実施するケースも多いのですが、そうしたお店がサービスを終了することも多かったです。
ランチタイムのごはんおかわり無料は、利益度外視のお店も多い。ただし米価が高騰したとなると、おかわり無料がダイレクトに収支を圧迫します。今年の夏は、流通する米が不足するということもあったため、単純に提供できるごはんが足りないという問題もありました。利用者にとっては残念なことですが、致し方ないことだったとも言えます」
吉野家は定食メニューでおかわり無料
では『天丼てんや』のごはんおかわり無料サービスがなくなったいま、ほかの飲食チェーンでのごはんおかわりサービスはどうなっているのだろうか。丼系チェーンのなかで、定食メニューのごはんおかわり無料サービスを実施しているのは、『吉野家』だ。
『吉野家』では一部の店舗を除き、多くの店舗において定食メニューにおける、ごはんの大盛り・おかわり無料サービスを実施している。朝限定の朝食の定食メニューもサービスの対象だ。
『松屋』でも、一部店舗において定食メニューのごはんおかわりが無料。すべての店舗において定食メニューのごはん大盛りも無料だ。
『すき家』では、ごはんおかわり無料サービスは実施しておらず、「ごはん」のミニ130円、並160円、大盛200円で提供されている。
「吉野家の定食メニューのごはんおかわり無料サービスは、ほとんどの店舗で利用できますが、松屋については定食メニューのごはんおかわり無料サービスを実施している店舗は、そこまで多くはない。特に都内の松屋では、サービスを実施していない店舗も多く、そのメリットを享受できていない利用者も少なくないと思います」(小浦氏)