もはや生活にとって欠かせない存在となったコンビニエンスストア。最大手のセブン-イレブンが1974年、東京都江東区に1号店を開業してから50年、その客層にも変化が見られる。かつては若者世代が積極的に利用していたイメージもあったが、いまでは中高年世代がメインの客層になりつつある。
それはデータからも明らかだ。セブン-イレブン・ジャパンの来店客調査を元にした年齢別客数構成比の推移を見ると、2004年度の29才以下の客は42%だったが、2023年度には22%に減少。実に約20年でその比率は半減しているのだ。一方、50才以上の客は22%から37.7%と1.7倍に増加している。もちろん日本社会で少子高齢化が進んでいることも大きな理由だろうが、はたしてそれだけだろうか。
なぜコンビニは中高年の支持を集めるようになったのか。大手コンビニチェーン店員とヘビーユーザーの声から探った。
「アニメコラボ商品を買うのも漫画の立ち読みも中高年」
コンビニ店員・Aさん(50代男性/東京都)は、学校が多い地区にある店舗に勤務して10数年。客は学校帰りの学生ばかりかと思いきや、「中高年ぐらいのお客様のほうが多いですよ」という。
「今の中高年の方は若い頃からコンビニに親しんできたという方も多く、取り立てて買うものが決まっていなくても、気軽な感じでいらっしゃる。一方で、子供たちがコンビニを利用するとすれば駄菓子系やアイス、大学生だとおにぎりや弁当という選択肢もあると思いますが、それらが全部割高になっている。お小遣いで買うにはややコスパが悪くなっているのか、コンビニが若い世代が来る場所でもなくなっていることは感じます。
コーヒーを買っていくのも、案外シニアの方が多いですね。最初は操作に戸惑う方もいらっしゃいますが、一度覚えると楽しいようで、頻繁に買ってくれるようになります」
Aさんの勤めるコンビニには漫画雑誌も置いているが、「そこに寄るのは40~50代がほとんど」だという。
「私が子供の頃などは、漫画雑誌の立ち読みといえば子供がするものでしたが、今は完全におじさんが読みに来ますね。そもそも漫画雑誌を常時取り揃えるコンビニも少なくなっていますし、子供たちは、紙の雑誌に触れたこともない人も多そうです。そういえばドリンクや菓子など、アニメのコラボ商品なんかもよくありますが、買っていくのは私と同世代ぐらいの方が多い印象です」