11月12日、2024年の守備のベストナインとなる「三井ゴールデン・グラブ賞」が発表された。セ・リーグ83人、パ・リーグ75人の有資格者のなかから各リーグ9人が選出された。同賞では、投手は規定投球回数以上の投球(またはチーム試合数の3分の1以上登板)、野手はそのポジションで2分の1以上の出場で有資格者となるため、安定して試合に出てチームに貢献することが前提だが、そこから選出された守備の達人たちのなかで“年俸と打撃(投球)成績のコストパフォーマンス”が最もよかったのは誰なのか。
本誌・週刊ポスト(11月8日発売号)では、『データ・ボール』などの著書があるライターの広尾晃氏の協力のもと、一軍登板した投手348人と一軍出場のあった野手319人の年俸(推定、以下同)と成績からそれぞれ“コスパ”をランキング化している。
投手では「登板1イニングあたりの年俸」、打者では「1安打あたりの年俸」を計算した。守備面でチームに大きく貢献した18選手について、登板数や打撃面の“コスパ”を見ていくと、また違った側面も浮かび上がってくる。まずは算出された各リーグのゴールデン・グラブ賞の面々の数字を見ていこう(順位はコスパの「ワースト」ランキング)。
総じて“コスパがいい”受賞者たち
■セ・リーグ
【投手】菅野智之(巨人)、年俸4億円 =1イニングあたり255.3万円(投手96位)
【捕手】山本祐大(DeNA)、年俸2300万円=1安打あたり22.1万円(打者294位)
【一塁】岡本和真(巨人)、年俸4.2億円=同280万円(打者100位)
【二塁】吉川尚輝(巨人)、年俸9000万円=同58.4万円(打者237位)
【三塁】坂本勇人(巨人)、年俸6億円=同638.3万円(打者47位)
【遊撃】矢野雅哉(広島)、年俸1750万円=同15.6万円(打者307位)
【外野】秋山翔吾(広島)、年俸1.5億円=同94.9万円(打者208位)
【外野】岡林勇希(中日)、年俸7300万円=同67.0万円(打者227位)
【外野】近本光司(阪神)、年俸3.2億円=同200万円(打者135位)
■パ・リーグ
【投手】モイネロ(SB)、年俸3億円 =1イニングあたり184万円(投手129位)
【捕手】甲斐拓也(SB)、年俸2.1億円=1安打あたり238.6万円(打者116位)
【一塁】山川穂高(SB)、年俸3億円=同220.6 万円(打者129位)
【二塁】小深田大翔(楽天)、年俸8500万円=同82.5万円(打者216位)
【三塁】栗原陵矢(SB)、年俸6300万円=同43.8万円(打者255位)
【遊撃】源田壮亮(西武)、年俸3億円=同217.4万円(打者131位)
【外野】辰己涼介(楽天)、年俸8000万円=同50.6万円(打者243位)
【外野】周東佑京(SB)、年俸4500万円=同39.1万円(打者262位)
【外野】万波中正(日ハム)、年俸8000万円=同62.5万円(打者233位)
順位の表記は「ワースト」ランキングのため、低いほど“コスパ”がいいことになる。一定以上の出場機会があった選手ばかりなので、200位台や300位台が目立ち、総じてコスパがいい。