対中強硬で見るべき銘柄
外交面で大きな影響を及ぼすことになりそうなのが、国務長官となるマルコ・ルビオ上院議員。トランプ氏が「中国製品に最大60%の関税」などと掲げるなか、「対中強硬派として知られるルビオ氏の言動は銘柄選びにおいて無視できない」と戸松氏は言う。
「中国企業が手がける『TikTok』禁止を根強く訴えてきたルビオ氏が起用されるとなれば、代わりにYouTubeショートのシェア拡大が見込める。それを手がけるグーグルの持ち株会社・アルファベットにはプラス要因となるでしょう。また、米中対立に伴って日本の防衛力強化も求められるため、防衛関連の主力銘柄である三菱重工業やIHIも外せない」
岡山氏も「ルビオ氏の起用で対中強硬政策による緊迫はより高まる」としてこう語る。
「対中関税の強化で中国に拠点を置く企業には打撃となる一方、タイ、マレーシア、ベトナムといった東南アジアの国々に拠点がある企業には代替地としての追い風が期待される。たとえばタイやマレーシアなどに生産拠点を持つ村田製作所、タイやシンガポールで家電や自動車関連機器を生産する日立製作所などは、対中関税強化の影響で株価が上昇する可能性があるでしょう」
エネルギー関連も目を向けたい。エネルギー長官に石油や天然ガスの採掘会社を経営するクリス・ライト氏が起用されるほか、豊富な資源を抱えるノースダコタ州のダグ・バーガム知事が内務長官と新設の「国家エネルギー会議」議長を兼任する。化石燃料開発が強力に推進されると見られる。
「全世界で油田サービス業務を展開する米シュルンベルジェは、採掘が増えることで株価に追い風が期待できる」(戸松氏)
そのほかの注目銘柄は別表にまとめた。閣僚人事がもたらす“トランプ・トレードの第2波”への備えが必要だ。