仕事を覚える前に「スキルアップ」「キャリアアップ」と身勝手に転職
大学ではなく、専門学校へ進学したOさん(30代男性/東京都)は、職場で出会う大卒たちについて、「自分よりも仕事ができないのに昇進が速く、そのうえ辞めていく」と不満を漏らす。
「僕は家庭の事情で大学には進学せず、ただ将来を考えてエンジニアの専門学校へ行き、プログラマーになりました。今はSier(システムインテグレーター)と呼ばれる職種で、IT企業に勤めています。
職場には大卒の方もいて、数年は私たちと同じ現場仕事をしますが、正直言って仕事ができるとは思えないのに、初任給は僕たちより2万円ぐらい高いのには納得がいかないです。なかには文系卒の人もいて、新卒が入る度に毎回こちらがゼロから教える羽目になるのですが、なんだかいちいち態度が偉そうなんですよね……」(Oさん)
Oさんは、「大学を出たんだったら、出たなりの仕事をしてほしい」と憂鬱そうだ。
「彼らにとって現場経験は、『昇進するためのステップ』。実際現場を知るのは大事だと思うんですけど、新卒の人に『なんでこの仕事を選んだの?』と聞くと、結構な確率で『手に職を付けたくて』という答えが返ってきます。
だったら大学じゃなくて専門学校へ行った方がいいと思いますが、そういう人たちって、手に職がついたなんて言えないうちから、『スキルアップ』『キャリアアップ』とか身勝手なことをいって、大体転職してるんですよね。大学を出て就職したんだったら、僕らよりも給料が高い分、せめて会社に貢献してから転職してほしい」(Oさん)
卒業後、漂流する大卒生たち。空前の売り手市場といえども自分の居心地がいい場所を見つけるまでには、時間がかかるようだ。
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