「IT、輸出、住宅」もカギ
続けて藤本さんが言及したのは、「IT業界」だ。
「選挙戦中からトランプ氏を支えたイーロン・マスク氏が新政権で要職に就くことが発表されたように、米国のIT業界ではトランプ支持が拡大しています。これからもIT業界の成長はより盤石になるでしょう。日本のIT業界のなかにも、増収・増益や増配が続いていて、さらにPER(株価収益率)などの指標からまだまだ割安と考えられる銘柄が存在しています」
また、トランプ氏が公約に掲げる減税策や輸入品に対する高関税政策にも、藤本さんは着目している。
「これらの政策によって米国内のインフレ傾向が再び強まると見られており、当面は『円安ドル高』基調が続くと考えられます。そうなると、日本の『輸出メーカー』には追い風になる。海外売上比率が高く、円安によって業績を伸ばせるチャンスを持つ銘柄を探していくのは、ひとつの手です」
加えて藤本さんは『住宅関連』の銘柄にも期待を寄せる。トランプ氏が住宅ローン金利の引き下げと住宅供給の増加方針を掲げているからだ。
「トランプ氏の住宅関連の公約は、ミニショベルなどを手がける日本の小型建機メーカーに追い風となるとみています」(藤本さん)
以上は藤本さんが挙げた日本株で注目する4つの分野だ。これら「総合商社」「IT業界」「輸出メーカー」「住宅関連」のなかで、藤本さんは具体的にどの個別銘柄をいいと考えているのか。別記事〈《藤本茂さんの注目4銘柄》資産20億円の88歳現役トレーダーが選ぶ「トランプ返り咲きで上昇期待の日本株」〉では、具体的な銘柄の名前を挙げて藤本さんが解説している。
【プロフィール】
藤本茂(ふじもと・しげる)/19歳で株式投資を始め、1986年に転換社債の投資を機に専業投資家になる。66歳でパソコンを買い、ネット取引に移行。68年間、個人投資家として相場に挑み、現在の資産は20億円を超える現役トレーダー。「投資に年齢は関係ない」がモットー。