米大統領選でトランプ氏が圧勝で返り咲きを決めたことに、株式市場も大きく反応した。ダウ平均が史上最高値を更新し、日本株も上昇。その後の一服感はあるが、来年1月の新政権の始動に向けて、市場がさらなる盛り上がりを見せると期待する声は大きい。「トランプ相場」の先行きについて、投資の達人はどう見ているのか。
88歳の現役デイトレーダーとして知られ、20億円超の資産を築いてきた藤本茂さんに話を聞いた。藤本さんの1日は、午前2時に起床して、米国の株式市場の動きをチェックするところから始まる。そうして毎日、日米の市場動向を確認し、取引を繰り返している藤本さんは、「トランプ相場は、日本市場においても分野によっては追い風となり得る」と話した。
藤本さんが真っ先に挙げた分野が「総合商社」だった。
「トランプ氏は化石燃料の規制を緩和し、石油や天然ガスの生産拡大を進めると主張しています。その観点から、トランプ氏の返り咲きで株価上昇が期待されるのが、資源・エネルギー分野に強みを持つ日本の商社です。
もともと、日本の5大商社は、『投資の神様』といわれるウォーレン・バフェット氏が今年6月に出資比率を引き上げるなど、さらなる株価の上昇が期待されていた。そこにきて、『化石燃料を掘りまくる』と公言するトランプ氏の返り咲きです。今後も伸びていく展開が期待できます」