「重くて洗いにくい」デメリットの改良も継続
日本における寝具業界のトレンドに逆らったかのように見えるニトリの『重い毛布』。売れ行き好調が続く背景には同社の企業努力がある。担当者は「年々改良が進み、ラインナップも増えております」と明かす。
「発売開始の翌年、2020年には『重い毛布』に合うカバーをセットにして販売しました。前年よりも販売計画を高く準備し、また追加オーダーもしましたが、想定よりも早く完売しました」
また、寝具には手入れ・洗濯の問題が付きまとうが、“重い”となれば、日々の負担は大きくなる。ニトリは、そういった課題にどう向き合っているのか。
「2021年にはカバーの紐の付け外しが大変という課題を解決するため、カバーの裏面に中の布団がズレにくい独自の生地を採用。さらに紐も無くし、カバーの付け替えが簡単に行えるように改良しました。さらに2022年には、『重くて洗いにくい』といった課題をクリアするため、抗菌防臭機能を追加しています」
利用者の声に向き合い続けるなかで、ラインナップも拡充した。2023年には従来の5.5kg/7.0kgに加え、女性や体重が軽い人向けに4.0kgタイプを試売したところ、こちらの売れ行きも好調だったため、今年は4.0kgタイプを“レギュラー”に加え、3タイプを展開している。
販売当初は売り切れる店舗が続出し、《どこにも売ってない!》との声も多かったが、生産体制を整えることで2021年以降は大きな欠品もなく、供給も安定。その重さと暖かさで「一枚でもいい」という声が上がるほどの『重い毛布』だが、担当者によれば「1枚での使用はもちろん、タオルケットや他の毛布など、組み合わせは自由」とのこと。
人生の3分1を過ごすといわれる睡眠時。止まらない進化はユーザーとしても大歓迎だ。
写真/同社提供