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川辺謙一 鉄道の科学

【鉄道の安全対策】現場で働く人が「基本動作」にしたがって動く意味と、「ヒューマンエラー」があってもバックアップする機械の役割

列車の発車直前に窓から顔を出す車掌。前方を指差し、声を出してホームの安全を確認している

列車の発車直前に窓から顔を出す車掌。前方を指差し、声を出してホームの安全を確認している

 鉄道は、多くの人にとって交通の手段としてだけでなく、趣味や娯楽の対象としても親しまれており、ときに人々の知的好奇心を刺激してくれる。交通技術ライターの川辺謙一氏による連載「鉄道の科学」。第26回は「鉄道と安全」について。

最重要なのに理解がむずかしいこと

 今回は、「鉄道の科学」の究極のテーマでもある「安全」について説明します。これについては本来語るべきことがあまりに多く、実際に鉄道現場で働かないと身につかない部分も多々あります。今回はそれをあえてコンパクトに要約して説明します。

 まず、これからちょっとむずかしいことを書きます。

 安全は、鉄道にとっての最重要事項です。安全の確保は、鉄道事業の最重要の責務です。

 この文章には、鉄道にとってたいへん重要なことを意味しています。ただし、日本では鉄道が安全であることは当たり前だと認識している人が多いので、どのように重要なのか理解しにくいと感じる人も少なからずいるでしょう。

 この記事では、そのような人に向けて説明します。

次のページ:鉄道で安全が重要である3つの理由

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