G20サミット2日目の集合写真の撮影に応じる各国首脳(11月19日。写真/AFP=時事)
解散総選挙を覚悟すれば野党交渉の迫力が違ってくる
橋爪:トランプからどんな要求がくるか。経済か外交安保かわかりませんが、アメリカに言われる前に先手を打って法案をまず作り、タイミングを見て国会でゴリゴリやって野党を説得する。決裂すれば解散総選挙をすればいい。夏の参院選を待つ必要はない。
峯村:日本が先手を打つために今、石破政権ができるのは、防衛費の対GDP比2%への増額の早期実現です。トランプ1期目で国防省幹部を務め、次期政権入りの可能性があるエルブリッジ・コルビー氏は、来日した際、「日本は『2027年までに2%』と悠長なことを言っているが、3~4%まで高めないと中国の脅威とは向き合えない」と私に忠告しました。
橋爪:石破さんが解散総選挙を覚悟しさえすれば、野党交渉の迫力がまるで違ってきます。交渉がまとまれば政権の手柄です。まとまらず解散総選挙をやれば、それも石破政権の手柄になる。いずれにしても、ボールは石破さん側にあると思います。
峯村:おっしゃる通りです。日米関係においても、何もせずにトランプ氏から「会ってくれ」と言われるわけがないので、ボールは石破さんにある。
橋爪先生との共著『あぶない中国共産党』でも指摘しましたが、日本は安全保障のすべてをアメリカに頼るだけの関係を脱却し、軍事面ではアメリカを頼りつつも、“中国のインテリジェンス情報についてはアメリカに提供する”という関係を目指すべきだと思います。
【プロフィール】
橋爪大三郎(はしづめ・だいさぶろう)/1948年、神奈川県生まれ。社会学者。大学院大学至善館特命教授。著書に『おどろきの中国』(共著、講談社現代新書)、『中国VSアメリカ』(河出新書)、『中国共産党帝国とウイグル』『一神教と戦争』(ともに共著、集英社新書)、『隣りのチャイナ』(夏目書房)、『火を吹く朝鮮半島』(SB新書)など。
峯村健司(みねむら・けんじ)/1974年、長野県生まれ。ジャーナリスト。キヤノングローバル戦略研究所主任研究員。北海道大学公共政策学研究センター上席研究員。朝日新聞で北京特派員を6年間務め、「胡錦濤完全引退」をスクープ。著書に『十三億分の一の男』(小学館)、『台湾有事と日本の危機』(PHP新書)など。
※週刊ポスト2024年12月20日号
橋爪大三郎氏と峯村健司氏の共著『あぶない中国共産党』