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子どもから「将来YouTuberになりたい」と言われたらどう答えるのが正解か? 知っておきたい「ロングテールの仕事」と「ベルカーブの仕事」の違い

世の中には「ベルカーブの仕事」(左)と「ロングテールの仕事」がある(イラスト/佐々木一澄)

世の中には「ベルカーブの仕事」(左)と「ロングテールの仕事」がある(イラスト/佐々木一澄)

「将来、大谷翔平選手のような野球選手になりたい」「YouTuberになりたい」──そうした子どもの気持ちに、親としてどう答えるのが正解か? 新刊『親子で学ぶ どうしたらお金持ちになれるの?』(筑摩書房)で、小学生(高学年)や中学生でもわかるような書き方で経済合理性について解き明かした作家・橘玲氏が、この問いの答え方を紹介する(同書より一部抜粋して再構成)。

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 YouTuber(ユーチューバー)は小学生の「なりたい職業」で上位にあがる、人気のあるスペシャリストです。では、子どもから「YouTuberになりたい」といわれたら、どのように答えればいいのでしょうか。

 そのためには、先にベルカーブとロングテールの話をしなければなりません。ベルカーブは統計学でいう正規分布、ロングテールはべき分布のことですが、小学生ではちょっと難しいので、掲載図15のように描いてみるのがいいでしょう。

大谷翔平はロングテール

 スペシャリスト(専門家)には、「ロングテールの仕事」と「ベルカーブの仕事」があります。

 ロングテールというのは、ブロントサウルスのような恐竜に見立てて、そのテール(しっぽ)がどこまでも長く延びていくことをいいます。そして、このしっぽの先で「とんでもないこと」が起きます。

 誰でもすぐに思いつくような有名人は、みんなロングテール(長いしっぽ)の先にいます。

「需要と供給の法則」は市場経済の大原則で、「たくさんあるものは価値が低く、少ししかないものは価値が高い」ことをいいます。ロングテールの住人は、ほんの少ししかいないからこそ、ものすごく価値が高いのです。

 ここで世界中の野球選手を、縦軸を人数、横軸を人気度にして分類してみましょう(別掲図16)。

図16 ロングテールの端ではとんでもないことが起こる(イラスト/佐々木一澄)

図16 ロングテールの端ではとんでもないことが起こる(イラスト/佐々木一澄)

 ロングテールのいちばん端にいるのは、大谷翔平のような「特別なスター」です。そのすこし左には、プロ野球や大リーグの選手たちがいます。彼らもまた、野球の世界では「選ばれし者たち」です。

 それに対して、もっとも人数の多い左端のショートヘッド(短い頭)には、草野球をしていたり、会社の同好会で野球を楽しんでいるアマチュアがいます。その中間にいるのは、社会人野球の選手や、プロを目指してがんばっている高校球児です。

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