よいこともヒドいことも倍になる
理科の実験で習ったように、てこを使うと重いものでも簡単にもち上げることができます。それと同じように、投資にレバレッジをかけると、資本を簡単に増やすことができます。
でもここには、大事な注意点があります。「レバレッジがうまくいくのは、貯金箱のお金が増えたときだけ」で、「貯金箱のお金が減ったときはヒドいことになる」のです。
別掲図29の状態で、400円に増えたお金をすべて使ってお菓子を買い、貯金箱のお金がなくなると、別掲図30のようになります。
図30 お金をぜんぶ使ってしまったら(イラスト/佐々木一澄)
貯金がゼロだと資本もゼロになりますが、借りたお金は減りません。その結果、お金がないのに借金だけが残ることになるのです。
2倍のレバレッジをかけると、うまくいったときは「よいこと」が倍になります。失敗すると、「ヒドいこと」が倍になります。借金でレバレッジをかけると、得することも、損することも、その結果が拡張されます。レバレッジは「倍返し」のようなものなのです。
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