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中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

「よし、君には500円!」正月の親戚の集いで子供達の歌やスピーチに「おひねり」をあげた体験から考えた、子供も大人も満足できる“新しいお年玉のカタチ”

山崎家の新年会に参加した筆者

山崎家の新年会に参加した筆者

力強いスピーチに嬉しくなり1万円を渡した

 2年前の正月には、一つのめでたいことがありました。当時、中学3年生の男子が野球の特待生として、とある私立高校に入学することが決定したのです。彼は力強く「甲子園を目指します!」とスピーチ。普段、彼の父親が応援している姿を見ていただけに、私も嬉しくなり、彼には1万円札を手渡しました。他の子には100~500円、1000円をその時の気分に応じて渡しました。

 何度も歌えばそれだけお金がもらえるということもあって、子供達の間でマイクの取り合いになったりするのもなかなか微笑ましい。大人は「金額マウンティング」というべき周囲のプレッシャーをあまり感じることなく、本来のお年玉よりも少ない額でその日を終えることができ、子供も労働の対価としてのおひねりを楽しんでいる。

 さらに、通常の新年会なら、子供は子供同士で遊んで、大人達は勝手に酒を飲んだりするものですが、このステージとおひねりがあれば、両者が何らかのコミュニケーションを取れることになります。これもおひねりの利点です。お年玉の代わりに2025年の正月はこのシステムを導入してはいかがでしょうか。

【プロフィール】
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう):1973年生まれ。ネットニュース編集者、ライター。一橋大学卒業後、大手広告会社に入社。企業のPR業務などに携わり2001年に退社。その後は多くのニュースサイトにネットニュース編集者として関わり、2020年8月をもってセミリタイア。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)など。最新刊は倉田真由美氏との共著『非国民と呼ばれても コロナ騒動の正体』(大洋図書)。

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