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【注目銘柄】東京鐵鋼:建設業界の2025年問題対応に貢献するニッチトップ

東京鐵鋼(5445):市場平均予想(単位:百万円)

東京鐵鋼(5445):市場平均予想(単位:百万円)

企業概要

 東京鐵鋼(5445)は、鉄筋コンクリート用棒鋼を主力とする中堅電炉メーカー。連結子会社8社、非連結子会社2社及び持分法適用関連会社1社で構成され、棒鋼及び加工品の製造販売を行っています(2024年3月末)。

 ネジテツコン(高張力ネジ節棒鋼)と継手をコアとし、国内4工場・6営業拠点体制で年間約300万トンの鉄鋼製品を販売する国内最大手の電炉メーカーです。

 主力のネジテツコンと専用継手は、国内超高層建築においてトップシェアを獲得しており、「グローバルニッチトップ企業100選」(経済産業省)にも選定されています。

 鉄筋の正式名称は「鉄筋コンクリート用棒鋼」です。鉄筋の製造方法には、鉄鉱石と石炭を原料とする「高炉」と鉄スクラップを電気で溶かして製造する「電炉」がありますが、同社は「電炉」系。電炉を使って鉄筋を製造しています。

 電炉による製造は、廃車のボディーや空き缶などを材料とすること、また石炭を燃やす高炉での製造に比べて二酸化炭素排出量が4分の1に抑えられることから“サスティナブル製鉄”とも呼ばれます。

 産業部門の二酸化炭素排出量の4割が製鉄現場から出ているとされていることから、近年では電炉への転換が推奨されています。こうしたESGの観点から電炉で作った鉄を買う企業も増えつつあり、日本製鉄など大手製鉄会社も電炉への転換を進めています。電炉由来の鉄鋼製品は鉄鋼年間生産量の4分の1を構成しています。

建設業界に革新をもたらした「ネジテツコン」で国内トップシェア

 鉄筋は、圧縮に強いコンクリートと、引っ張る力や曲げる力に強い鉄筋を組み合わせた建築資材。地震の多い日本で超高層ビルを建設するのに不可欠です。

 一方、JISで最大長さが12mと決められており、足りない場合は継ぎ合わせて長さを出す必要があります。この時行われる作業が「継手(接手)」で、大きく「重ね継手」「圧接継手」そして「機械式継手」の3種類に分けられます。

 高層建築の柱や大梁などに使われるのが、圧接継手と機械式継手です。広く使われているのがコストの低い圧接継手。鉄筋を酸素・アセチレン炎を用いて熱し、圧力を加えながら接合します。ただ、この方法は適切な「加圧」・「加熱」・「圧接時間」の3条件が必要で、出来具合が職人に依存します。また、雨が降ると作業ができないというデメリットがあります。

 一方、機械式継手は、圧接継手のように直接接合するのではなく、噛み合いを利用して接合する工法です。いくつか種類がありますが、圧倒的に実績が多いのが、ネジの原理で接合できる「ねじ筋鉄筋継手」。雨でも作業でき、ガス圧接のように職人の技術に依存しないことから品質が安定するというメリットがあります。

【プロフィール】戸松信博(とまつ・のぶひろ):1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。最新の注目銘柄、相場見通しはメルマガ「日本株通信」にて配信中。

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