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【注目銘柄】ライフドリンク カンパニー:再成長から拡大期に移行した飲料会社

ライフドリンクカンパニー(2585):市場平均予想(単位:百万円)

ライフドリンクカンパニー(2585):市場平均予想(単位:百万円)

企業概要

 ライフドリンクカンパニー(2585)は、ミネラルウォーターやお茶、炭酸水を中心とした飲料を展開する企業。

 株式会社ライフドリンクカンパニー、関連会社生駒名水、連結子会社ニット―ビバレッジとOビバレッジの4社で構成され、主に、清涼飲料(ドリンク)及び茶葉(リーフ)の製造・仕入・販売を行っています。

 展開する主な製品は、水飲料(2L/500ml)、緑茶・烏龍茶の茶系飲料(2L/500ml)、炭酸飲料(1.5L/500ml)の3つのカテゴリに絞られています

 ニット―ビバレッジは2023年に、Oビバレッジは2024年に加わったばかりですが、いずれも、同社が集中する「水、お茶、炭酸水」という3つの飲料事業を強化する会社となります。同社は新しいジュースを開発したり面白い味を造ったりはしません。あくまでも「水、お茶、炭酸水」に特化し、少品種を大量に生産するのが特徴です。

元々は多角化企業だった

 同社の創業は1950年。田中たね氏によって創業されたお茶の製造・販売会社「緑香園」を起源とし、これが1972年に息子の田中綜治氏によって「あさみや」として法人化されたのが同社のはじまりです。

 2000年代は積極的買収によって、茶系飲料会社から飲料水会社、さらには醤油やせんべいやチョコレート、ソースにインスタントラーメン、運送業まで買収し、事業は非常に多角化された構造となっていました。これが現在の飲料に特化した事業構造となったのは、2015年にサンライズ・キャピタルというエクイティファンドと資本業務提携を結んでからです。経営方針はドリンク事業への集中と、ドリンク以外の事業からの撤退が図られました。

 ドリンク事業の方は、2015年に大手小売向けに茶系飲料を展開する明和を買収、2016年に富士名水足利工場を新設するなど事業の拡大と強化が進められました。また2020年には楽天市場にオンラインストアを開設。「ZAO SODA」のブランドで炭酸水のEC販売をスタートした、という流れとなります。

 ドリンク事業に特化した事業体制が整い、東証二部上場を果たした2021年から再成長がはじまったと言え、売上高は上場後4年でほぼ倍増し、2023年6月にはスタンダード市場からプライム市場へ昇格を果たしました。

合理的モデルで「大手にできない低価格」を実現

少品種大量生産

 飲料事業特化型企業に変身した同社は、さらに自社工場で生産する製品を、水飲料(2L/500ml)、茶系飲料(2L/500ml)、炭酸飲料(1.5L/500ml)に絞り込みました。このモデルによって、生産品目の切替時間が短縮され、原材料・資材を共通化できることから仕入れコストが抑えられる、というメリットが得られるようになりました。

工場の全国展開で災害リスクと物流コストを抑制

 同社は、岩手県から宮崎県まで日本全国9か所に飲料工場を持っており、全国網とすることで物流費を抑える効果を得ています。

御殿場工場が稼働

 4月に投資総額94億円をかけた最大規模の新工場が稼働を開始しました。御殿場工場は、生産品目が500mlの水・お茶という収益性の高い商品であること、生産能力の高さから1本当たり固定費が低く抑えられること、御殿場という立地から物流費も抑制できる、といった特徴を持ちます。高収益化が期待されます。

 さらに、調達から販売まで内製することでコスト減に成功しています。具体的には、レジンや茶葉といった原材料の調達から、ペットボトル成型や茶葉の焙煎といった中間工程、飲料製品の充填・包装といった製品化工程、販売までを内製化しており、製造原価を抑えています。また売上の多くが小売大手のプライベートブランド(PB)飲料の製造なので、基本的に広告宣伝費を必要としないコスト安のビジネスモデルとなっています。

 これら3つの特徴によってムダとリスクを低減し「高品質・低価格・安定供給」を実現しています。安さで言うと、水2Lで58円~68円とナショナルブランドより3割以上安い価格で提供しています。ブランド力を持つナショナルブランドに「安さ」で対抗しているのです。

【プロフィール】戸松信博(とまつ・のぶひろ):1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。最新の注目銘柄、相場見通しはメルマガ「日本株通信」にて配信中。

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