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ライフ

自販機横のリサイクルボックス周辺が“街のゴミ置き場”化している問題、実際に捨てている人たちに聞いてわかったその理由 「ゴミ箱じゃないの?」「みんなやってるし…」

入り切らなかったペットボトルや飲料ゴミがボックス周辺に放置されている

入り切らなかったペットボトルや飲料ゴミがボックス周辺に放置されている

 ドリンクの自動販売機の周辺に、空のペットボトルや空き缶、カフェチェーンのカップゴミなどがポイ捨てされている光景を見かけたことはないだろうか。なかには設置されている回収ボックスから溢れ、まるで“街のゴミ置き場”のようになっていることもある。なぜ自販機周辺にゴミが集まる現象が起こるのか。東京・渋谷にて、実際にゴミを放置していく人たちを直撃、その本音を聞いた。

自販機横のボックスは「飲料容器用のゴミ箱」という“誤解”

 そもそも自販機の横に設置されているボックスは「ゴミ箱」ではなく、ペットボトル、缶、瓶の回収を目的とした「リサイクルボックス」である。そのため、それ以外の空容器は“異物”として本来回収対象外だ。にもかかわらず、そういったゴミまでボックスに入れられることは珍しくない。結果としてボックスはあっという間に満タンになり、入れられなくなった缶やペットボトルが路上にあふれてしまうわけだ。

 大手カフェチェーンの空きカップをリサイクルボックスに捨てようとしたフリーターのAさん(20代/男性)は、「えっ、これゴミ箱じゃないの?」と戸惑いの表情を見せる。

「てっきり“飲料用”のゴミ箱だと思っていました。つまり缶や瓶、ペットボトルだけじゃなくて、飲料が入っている容器ならなんでも捨てていいという位置づけなのかと思っていました。それに、ボックスがいっぱいで、それ以上缶やペットボトルを入れられないときは、そばに置いておけば一緒に回収してもらえるものかと……」(Aさん)

 こうした誤解は根強く、リサイクルボックスにとっては“異物”であるゴミを入れる人は後を絶たない。しかし飲料メーカーによれば、“異物混入”があると、リサイクル業者にとって分別作業の手間が増えるばかりか、本来リサイクルできるものもできなくなってしまう場合もあるという。事態を問題視した業界では2022年秋から“異物”を入れにくいよう、投入口を下向きにした新デザインのリサイクルボックスを全国に順次展開している。

 新リサイクルボックスの効果はいかほどか。2023年5月、一般社団法人日本自動販売協会が公表した調査結果によると、全国5都市において82.4%のルートセールス関係者が「異物混入が減った」と回答。一定の効果は出ているようだが、自販機周辺の“ゴミ置き場化”問題は完全には無くならない。

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