卒業後の就職先が「見えづらい」
Bさん(埼玉県/20代)は高校時代、理系コースに在籍していたが、大学受験直前に“文転”し、商学部に進学。「医師や薬剤師になりたいわけではなかったので、医学部・薬学部は選択肢外。理系科目は好きだったけど、理工系となると就職先が見えなかった」と語る。
「たとえば理系でも医師や薬剤師は専門職なので、キャリアプランがわかりやすいじゃないですか。理工系だと就職に有利だよ、って言う人もいますが、工学部出身で有利に働きそうな資格は電気、情報、危険物など、どれも現場の実技系が多く、私にはいまいちピンときませんでした。別に理工系出身で、普通に総合職として就職してもいいんだと思いますが、だったら別に理工系の勉強をする必要もないかなと」
Bさんは「大学の女子枠を増やすだけじゃなくて、卒業後の進路についてもきちんとサポートしてくれるとかだったら、ちょっと考えるかもしれません」と話す。
「女が理工系に行っても仕方ない」という親の刷り込み
Cさん(鹿児島県/20代)が高校時代に親から言われたのは、「理工系なら、院を出ないと意味がない」という話だった。
「母親は、『理工系なら、院を出ないと意味がない。勉強が嫌いなら学費が無駄』とか、『女が理工系に行っても仕方ない』とか言っていて、私も真に受けてしまったんですよね。今、私はメーカーに勤めていますが、理工系で学部卒の女性も普通に活躍していて、めちゃくちゃカッコいい。
地域差もあるかもしれませんが、結構、大人たちの“刷り込み”って大きい気がします。理系の女子を増やすなら、まずは親世代の価値観を変えることも大事なんじゃないかと思います」
人生の大きな選択の岐路となる大学受験。シビアに将来を見据える女性たちの目はまだまだ厳しいようだ。