昨年12月以降、キャベツの高騰を報じるニュースが増えている。実際、SNSではその高さに仰天する人々が続々と写真を投稿している。「一玉580円」に驚いたかと思えば、「1080円」という報告も登場、そうした事例が拡散され、日本全国各地でキャベツの高騰が大問題になっているように感じる人は多いのではないか。だが、本当にそうだろうか? 「全国的なニュースに思えても、地方都市では無縁なこともある」というのは、佐賀県唐津市在住のネットニュース編集者・ライターの中川淳一郎氏だ。中川氏が、当地のリアルな食事情を報告するとともに、メディアの報道姿勢について疑義を呈する。
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キャベツの高騰でお好み焼き店やトンカツ店が困っていたりといった報道もありましたが、夏の猛暑、干ばつ、冬の気温が低過ぎたことが不作の原因のようですね。農作物というのはやはり天候が左右するわけで、産地の生産者にとっては死活問題であることが改めて浮き彫りになった形です。
とはいっても、天候というものは地域差があるわけで、あまり影響を受けない地域もあります。今回のキャベツについて、「自分の行動範囲の話とは違うかな……」といった感想を持ちました。春~秋にかけてキャベツは128~198円ぐらいのことが多いですが、毎年冬になると300円台になることも。
それは多くの人が想定していたでしょうが、今シーズンはそれを大幅に上回ったからここまでの話題となったのでしょう。とんかつチェーンでは、千切りキャベツの無料追加サービスをやっているところもあるだけに、今回の件では苦労がしのばれます。
そんな状況でありながらも、私の住んでいる地域ではキャベツが特に高くなっていないんですよね……。スーパーには地元の農家が野菜を持ってきて売るコーナーがあるのですが、先日買ったキャベツは1玉170円。見切り品コーナーには2玉160円という激安キャベツもありました。
一旦市場に流すのではなく、直接農家が持ち込んでいるため、この安さが実現できるのでしょうが、お陰様で安定的にキャベツを含めた野菜を食べることができます。今回の件は、都会の人とメディアが全国的な大騒ぎにしたような面もあるのでは。