コンパクトな「ほうき」が活躍
埼玉県在住のIさん(30代女性)は、一人暮らし歴10年。1LDKに住んでいるが、「ロボット掃除機はいらなかった」と言う。
「おしゃれな生活を夢見て、憧れのロボット掃除機を買ったんです。でもあれって、そもそも床を片付けておかないといけないし、稼働させれば踏んづけそうになったりして、使うのが面倒になり、しまい込んでしまいました」
現在Iさんが愛用するメインの掃除アイテムは、なんと「ほうき」だという。
「部屋の隅に汚れが溜まったり、髪の毛が落ちていたりするので、そういうものは定期的に小さなほうきで掃除します。ちりとりとセットになっているコンパクトなものが売っていて、すごく便利ですよ。フローリングワイバーを使っていたこともあるのですが、あれって部屋の隅っことかが掃除しにくいし、ほこりを取り切れなかったりしてストレスだったので、ほうきにしたら快適です」(Iさん)
一目惚れして買った高級掃除機の末路
神奈川県在住のTさん(40代女性)は数年前、家電量販店で高級掃除機を購入した。友人に、「いい掃除機を買うと、なんでもない時にも掃除をしたくなるよ」と勧められ、家電量販店に実物を見に行き、一目惚れしてしまったのだという。
「買ったのは、吸引力が高いことで知られるスティックタイプの掃除機です。吸い込んだゴミは外から見えるようになっていて、最初は、みるみるたまるゴミに『おおー』とちょっと感動していました。でも、正直重たいので手が疲れちゃうし、そのゴミを捨てる時に、ややゴミが舞うというか……。ちょっとしたストレスが積み重なり、使わなくなりました。今掃除をするアイテムは、ウェットティッシュと雑巾です」
Tさんは、床などで気になる箇所があればウェットティッシュや雑巾でさっと拭き、「それで掃除は終了」なのだという。5万円ほどもした高級掃除機だったが、Tさんが使ったのは数回ほど。ノズルアタッチメントも豊富にあるが、「ほとんど使ったことが無い」と話す。
「私が持っているものは古い型なので、新しい型のものなら軽量化など改良されているのかもしれませんが、買い替えてまで掃除をする気がなくなりました。その掃除機を格納するためのおしゃれな棚まで買ったんですけどね……。今では部屋のインテリアで、私が掃除する姿を部屋の隅で見守ってくれています」(Tさん)
人それぞれの生活スタイルによって、掃除用品の種類や必要性は変わってくるということ。一人暮らしが初めてという人は、掃除機だけでなく、その家電が本当に自分にとって必要かどうかをよく考えてはどうだろうか。