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「余命4か月」を宣告された後の森永卓郎さんの選択「多少命が縮んでも何のストレスや苦痛もなく、残りの人生を過ごすほうがいい」タバコもやめず、好きなものを積極的に食べる生活

森永卓郎さんは余命宣告を受けて生き方をどう変えたのか

森永卓郎さんは余命宣告を受けて生き方をどう変えたのか

 1月28日に亡くなった経済アナリストの森永卓郎さん(享年67)。2023年11月にすい臓がんのステージIVと診断(その後、原発不明がんと診断)され、「余命4か月」を告げられてからも亡くなる直前まで執筆活動や番組出演をはじめ数多くの仕事をこなしてきた。週刊ポスト1月27日発売号では、森永さんの独占手記を6ページにわたって掲載している。がん宣告後の生活について、森永さんは次のように明かしてくれていた。

今最も楽しいのは、寓話を創作している時

 がんを宣告された時、頭の大部分を占めたのは獨協大学のゼミ生と完成間近の新著のことだった。特に後者は40年余りの経済研究の集大成かつ戦後史を塗り替えるもので、それまでメディアでタブーとされた内容を命がけで完成させたいと思い、病床で次男が口述筆記して『書いてはいけない 日本経済墜落の真相』(三五館シンシャ 2024年3月刊)が出来上がった。

 私は医師ではなく、医学的に正しいかどうかわからないが、余命数か月と宣告されてから1年以上も生き抜いた経験から言えば、「前向きな気持ち」で免疫を高めることが、がんとの闘いにおいてはとてつもなく重要ではないかと思う。ある医師は私にこう言った。

「免疫量は健康状態に比例しますが、免疫の3割はどれだけ前向きに生きるかという精神面の要因に左右されるんですよ」

 このために必要不可欠なのは、自分がやりたいことをやって、つらく苦しい治療や生活スタイルを避けることではないか。私の場合は熱心に打ち込める仕事があったことが幸いした。「やりとげるまで死ねない」という強い意志が自分を立ち上がらせてくれた。

 今最も楽しいのは、寓話を創作している時だ。想像の泉が噴出して次々にアイデアが浮かび、徹夜も辞さず書き続けている時の興奮が免疫力を高めていると思えてならない。昨年末に出版された私の寓話集『余命4か月からの寓話』(興陽館)は続編となる2巻と3巻もすでに脱稿している。イソップ物語を超える25巻まで出すことが今の私の目標で、生きるモチベーションになっている。

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