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「余命4か月」を宣告された後の森永卓郎さんの選択「多少命が縮んでも何のストレスや苦痛もなく、残りの人生を過ごすほうがいい」タバコもやめず、好きなものを積極的に食べる生活

入院はしないし、延命治療を受けるつもりもない

 がんになってから食事や生活習慣について膨大なアドバイスをもらったが、私が決めたのは好きな物を好きなだけ、何も気にせず食べること。やりたい放題で、何も気にせずバットを振り抜くことが大事と考えた。

 特に糖分に関して、がんの好物が糖分なのでお菓子を食べるなと言う人もいたが、自分の最大の課題は体重減少を止めることなので、アイスやケーキを間食でバンバン食べ、一日中、アメを舐めている。オクラやめかぶなどのネバネバ系も健康にいいとされるが嫌いだから口にしない。

 ラーメンやカルビ、豚バラブロックなど脂っこいものも好物で積極的に食べている。量は食べられなくなったものの、一番好きなのは「食べ放題」の店で、スプーン一杯のカレーと焼きそば3本、焼肉2枚とか、いろんなものを少しずつ食べるのが楽しい。そんな食べ方が許されるのは、食べ放題の店だけだろう。

 一方でがんになってから栄養価が高くて効率がいい卵やヨーグルトを毎日食べるようになった。温浴療法も勧められたので、妻と一緒にスーパー銭湯に行って、かけ流しの温泉に入ることも日常のルーティンになった。

 少しは健康に気を遣っているが、タバコはやめていない。今も1日20本以上吸う不健康なライフスタイルである。この先、がんの転移が広がって重篤な状態になったとしても、入院はしないし、延命治療を受けるつもりもない。命があるうちは、つらいことや苦しいことはせず、自分が楽しいと思うことだけを思い切りやりたい。

 ただし、これはあくまで私個人の人生観であり、やりたい放題やった結果、寿命が短くなる可能性もある。それでも、多少命が縮んでも何のストレスや苦痛もなく、残りの人生を過ごすほうがいいというのが私の選択だ。自分の人生だから、最後は自分で選びたい。

「もうすぐ死ぬ」という最強のカードを手にしたのだから、他人にとやかく言われる筋合いはないはずだ。命が尽きるまで誰にも忖度せずフルスピードで走り続けて、運命が尽きた日に、前向きに倒れる。それが今の私が考える、がんとの向き合い方だ。

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 現在、マネーポストWEBでは、関連記事《【独占手記・全文公開】森永卓郎氏、がんステージIV「余命4か月」宣告でも精力的に生きられる秘訣 お金、健康、人間関係の整理…常識に囚われない心得を明かす》にて、森永さんの手記を全文公開している。資産整理、治療の様子、気の持ちよう、そして最愛の家族も含めた人間関係についてまで、がん宣告されてから亡くなる直前まで、森永さんがたどりついた考え方を詳細にレポートしている。

※週刊ポスト2025年2月7日号

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