物価上昇に加え、賃金の上昇も続いている。その状況を受け、1月24日に日銀の植田和男総裁は、2024年7月以来の政策金利引き上げを発表した。利上げの状況でもマーケットは平穏に推移し、日本経済の堅調さを示すこととなった。そうした中で、いま投資家の注目が集まっているのはどのような企業か。最新の決算をもとに、個人投資家・経済アナリストの古賀真人氏が解説する。
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1月24日に発表された全国消費者物価指数は前年同月比+3.6%をつけ、一昨年8月以来1年4カ月ぶりの3%台となった。物価高が続く一方、賃金の上昇も堅調だ。1月9日に厚労省から発表された毎月勤労統計調査では一般労働者の現金給与総額は前年同月比+3%増となりこちらは44カ月連続のプラスとなっている。パートタイム労働者については前年同月比+4.7%増で41カ月連続のプラスとなっており、日銀が掲げている「賃金と物価の好循環」が実現していきている。
この状況を受け、1月24日、日銀の植田和男総裁は、2024年7月会合以来の政策金利引き上げを発表し、政策金利は0.5%となった。
前回の7月会合での利上げの際には、日経平均が史上最大幅の下落を記録する大暴落のインパクトをもたらしたが、この日のマーケットは事前の予想も多かったこともあり、特段の混乱もなくマーケットは平穏だった。
日本経済は順調に成長すると予想されている。日本経済の潜在成長率からの乖離を示すGDPギャップの2025年の予想は+0.4%と、7年ぶりのプラス転換が予想されており、目下、日本の経済環境は堅調と見通せる可能性が高い。
また、新NISAの開始の影響もあり、株式マーケットにも大きな注目が集まっている。これは家計の大きな資金が株式市場に流れ込んでくるチャンスと言える。2025年、年始から株式投資の話題が満載である。そうしたなかで今年注目しておくべき銘柄のポイントを紹介する。